当院では、漢方治療にも力を入れています
からだにやさしい漢方
当院は基本的には、研究データに基づいて作られた化学薬品(西洋医学のクスリ)により治療を行いますが、西洋医学のクスリだけでは対処しきれないことが多く、困られている患者さまが実際多いため漢方薬によるサポートにも力を入れています。
次のような場合は一度ご相談下さい。
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① 化学薬品だけでは症状がとれない・なおらない
婦人科で処方されたホルモン剤で吐き気がする・からだがだるい
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女性のための漢方
漢方薬は、繊細なカラダの女性にもやさしく・しっかりと働きます。
妊娠中や授乳中は、西洋医学のクスリ(化学薬品)は使えない場合がありま
すが、漢方薬なら心配せず使えるものがいくつもあります。
また、漢方では昔から女性のココロとカラダを重視しているので、体質や症
状に応じたいろいろな漢方薬が用意されています。
夏の漢方
夏バテ
夏バテには、大きく分けて2種類あります。
(1) とにかく暑くてだるい・のどが渇く・暑くてやる気がおこらない。
→ 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)がオススメです。
(2) 暑くてしんどいが、冷房の部屋では足や手が冷える。
→ 清暑益気湯(せいしょえっきとう)がオススメです。
熱中症
熱中症になると、水分不足による「脱水」だけではなく、「脳浮腫(脳がむくむ)」がおこります。
脱水に対しては、点滴で水分補給を行います。
点滴で全身の脱水は改善されますが、逆に脳浮腫は悪くなることがあります。
しかし、脳浮腫を改善するため西洋医薬品(化学薬品)を用いると、今度は尿が出すぎて脱水になります。
では、どうしたら良いのでしょうか?
→ 五苓散(ごれいさん)を内服します。
五苓散は、「アクアポリン」という細胞内外の水分調節をするタンパク質に働きかけ、水分の不足している細胞には水分を取り込み、水分過剰な細胞からは水分を取り出す作用があることが科学的に証明されました。
※「アクアポリン」とは、
1992年にアメリカの科学者(アグレ博士ら)によって発見された、細胞膜表面に存在するタンパク質の一種です。
(のちの2003年にアグレ博士らは、この発見によりノーベル賞を受賞しています。)
この「アクアポリン」というタンパク質の "すごい" ところは、水分が足りない細胞にはどんどん水分を取り入れ、水分過剰な細胞からは水分を取り出すところです。
このため世界中の科学者が現在研究を続け、化学薬品の開発を試みていますが、現時点では成功していません。
ところが、大昔からある漢方薬の「五苓散」には、この作用があったのです!
漢方薬には副作用がほとんどありませんが、いくつかの漢方薬を試してみないと効き目がわるいときがあります。
また、即効性(5分〜10分)のあるものもありますが、長く(2〜3ヶ月)飲まないと効かないものもあります。
いっしょにがんばりましょう。